時々  夕方 

福島原発の話題になると言いようのない怒りにとらわれてしまうので、触れないようにしています。

けど・・・・


いつ終息するのか先の見えない現場で、「使命感」と仲間意識という力だけをもって
作業にあたる方たちの、被爆基準値が上げられるそうですね。


あらためて、「基準」 って何でしょうか?


原発事故以来ずっと、頭の片隅にそれがありました。





私の中で出た答えは


基準って、「都合」 なんだと、ただそれだけの事なんだと思いました。

どんなことでも、2分割以上しなければいけない場合、元になる数字や事象が必要です。


健康診断の検査値。 再検査の基準。メタボの基準。要指導の基準。

必要な数字だけど、

もし、全ての検査値が限りなく基準値に近かったとしても、基準値以下なら再検査にはならないでしょう?


薬の投薬量の基準。

人間には当然個人差があるから、薬の効果も同じではないですよね。

繰り返し行われたであろう臨床実験で得られた数値をもとにして、一番妥当な量が決められます。
15歳未満なら半分の量、15歳以上なら一袋なんて具合に、そして体重の基準値。
副作用の発症率。

最終的に机上で計算されたものにすぎません。



例はずれますが

北海道で美味しいとブランド化されたお米、「ゆめぴりか」 があります。

ホクレンは売り出し当初、「ブランド」化のためと称して
お米の成分に基準を設けて、その基準以上のお米でなければ「ゆめぴりか」という名前では販売しない!
とのたまいました。

その基準はお米の美味しさを左右すると言われる、たんぱく質の含有量でした。

その数字を見た時、ひっぱたかれた様な驚きと疑問を持った農家の方は五万といたと思います。

どんなに努力しても、その数値に至らない土質の地域があるくらい、厳しすぎる数字だった事。
そもそも、どんな地域で作っても美味しいお米という目的で、税金で開発された品種だった事。
売りだした年は、奇しくも冷害年で、たんぱく価の上昇は間違いなく、その基準では米の量が全く足りなくなることがとうの昔に解っていたこと。


当然、ホクレンはその年、数億の広告費を費やしながらも、スズメの涙のような量しか販売できませんでしたね。


そして、6.8 という、確かに机上の計算では美味しい基準値は、翌年一気に7.9まで上がります。

「7.9でも美味しい・・・」

じゃ、去年の基準は何だったのでしょう? 
消費者が知らないと思って言いたい放題です。 農家にすれば、馬鹿にするなよ!という甘い数字です。


結局は、企業の、販売者の都合です。



農薬の残留基準。

例えば、基準値に0.01ppmでも多くなったら全て廃棄という法律があれば。
健康に害を及ぼす基準値よりも相当下回っていたとしても、廃棄になります。

逆に、ガンを発症するリスクがどんなに高かろうと、たばこに廃棄処分、製造中止処分はありません。



つまり、「安心、安全」に本来、絶対的な基準なんてないのです。


ただちに健康を損なわない量・・・・・

ガンになるリスクが少ない時間・・・・



基準は必要なのでしょうね。

けれども

全ての基準は、結局は都合に過ぎないという気がしてなりません。


基準の数字が出される根拠は、悲しいくらい小さな部屋の中ではじき出されるモノがほとんどなのですから